まず、ANAの決算を分析していきます。
ANAの決算
売上高が約2兆円あり、前年度から840億円下がっています。
3月までの決算なので、コロナの影響はほとんど出ていません。
営業利益が608億円となっており、前年度から1000億程度下がっています。
変動費が少なく、固定費が多いということだと思うのですが、
売上高の減少がそのまま営業利益の減少につながっています。
営業利益率が3.1%しかなく、かなり利益が薄い状況になっています。
次に状況を細かく見るために決算短信を見ていきます。
売上高が2.05兆円から1.97兆円、営業利益が1650億円から608億円になっています。
売上高が下がった分営業利益が下がっているのですが、どこからきているかというと
売上原価が上がっていることがわかります。
去年より売り上げが下がっているのに原価が上がっていることが原因だとわかります。
JALの決算
売上高が1.48兆円から1.41兆円に約700億円下がっています。
こちらも3月までの決算なので、コロナの影響はほとんど出ていません。
一方、利益のほうを見ると1760億円から1000億円にさがっています。
こちらも売り上げの減少分、営業利益が下がっています。
ただし、ANAよりも営業利益率が高く効率的な経営を行っていることがわかります。
JALのほうは営業費用がほとんど変わらないことがわかります。
JALは売り上げの減少がそのまま営業利益の減少につながっています。
ANAも同様ですが、売上高のほとんどが営業経費になってしまう過酷なビジネスだとわかります。次に財務状況を見ていきます。
現金が2000億円減っています。
一方、自己資本比率が変わらないのですぐにどうこうはなさそうです。
ただし、営業キャッシュフローが減っています。
現状赤字ではないですが、厳しい状況が見えてきます。
今後の見通し
気になる今後の見通しですが、ANA、JALともに予想は不可能で非開示でした。
つまりどれだけ売り上げがたつか未定ということです。
ただし、ANAからは売り上げがどれだけ下がっているか出ているので紹介します。
国際旅行は2月までは増えていました。
3月に大きく下がったのですが、4月、5月の見通しは90前後減少の見通しです。
6月以降どうなるかが今後の業績を左右するといえます。
一方、JALも予想を出していて、
ANAと同様に90%以上下がっています。
ANA、JALともに売上高の減少=営業利益の減少となるので、
4月、5月の売り上げがほとんどゼロになると業績が非常に厳しいものになることが
予想されます。
財務状況
ANA、JALともに業績が非常に厳しいものとなることが予想されます。
ただし、財務に問題なければこれらの問題は一過性のものとなる可能性があり、
経営に対する影響が一時なものに可能性があります。
ですので、次に財務を見ていきます。
ANAの財務状況
まずはANAの財務から確認します。
現時点での現金及び預金は約1000億円しかありません。
年間販管費は3300億円なので、すぐに現金が枯渇します。
しかし、有価証券等を現金にすれば流動資産が5700億円ほどあるので、
すぐに倒産するとかはなさそうです。
次にJALの状況を確認します。
JALのほうは現時点で現金及び預金が約3300億円あります。
年間の販管費が2300億円あるので、現時点で問題なさそうです。
まとめ
JALのほうが、売上高に対する資産が多く、負債も少なく筋肉質な経営を行っています。
両社ともにすぐに破綻はなさそうですがこの状況が続けば厳しいと思います。
現状、業績は予想不能のため、コロナの終息と航空業界の戻りを確認するまで
投資は見送るのが賢明だと思います。
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